このクソ親父(三部)
このクソ親父(二部)から つづき
Y氏は、全くワケがわからず、部屋に戻ると子供達の睨みつけていた目が、忘れられずに悩んでしまった。
~あの子供達は、本当に自分に向かって叫んだのか?!~
~いやぁ、確かに私しかいなかったし・・・でも、何のことだ?!何のために?!~
~そもそも、何故子供に敬遠されなければならないのだ?!~
悩んだY氏は、答えも見つからないまま、封印していたお気に入りのスコッチ(バランタイン)をとりだすとストレートのまま、グイグイと呑み始めてしまった。
「ガタンゴトン、ガタンゴトン、ガタンゴトン、ガタンゴトン・・・・・・。」
~~~~ハッ~~~~
どのぐらいの時間が、たっただろうか。
Y氏は、バランタインを何杯か呑んだあと、そのままウトウトしてしまった。
何度目かの電車の音で、目が覚めたのだが、それでも妙に頭だけはスッキリとしていた。
もしかしたら慣れれば・・・疲れているし・・・・あの騒音でも眠れるかもしれない。
そう自分を納得させながらジャージに着替えると布団に入った。
そして、その深夜のこと・・・・
「ガン、ドン、バサッ○×▼!!◎○×▼!!◎!!○×▼◎!!!、ギャーッ!!!。」
「やめてぇぇぇ~~~~~~~~~~~~っ!!!!」
~~~~~またあのケンカ????~~~~~~~
しかし、今度は、尋常じゃないぐらいの喧騒・・・・
Y氏も、ハッと飛び起きる・・・・。そぉーーーっと窓を開けて、下の階を覗き込んでみる。
灯りは見えるものの、人影など何も見えるはずもない。
「ガン、ドン、バサッ○×▼!!◎○×▼!!◎!!○×▼◎!!!、ギャーッ!!!。」
「イアァ、イヤ、イヤ、やめてぇぇぇ~~~~~~~~~~~~っ!!!!」
「キャァーーーーーーッ!ギャァーーーーーーッ!キャァーーーーーーッ!。」
そして、2~3度の激しい悲鳴がした後で、急に静かになった。
Y氏は玄関先で、ウロウロしながらどうしようかと悩んでいたものの、急に物音がしなくなったので、今度は、不安がよぎってきた。すると・・・・。
・・・・トントン、トントン、・・・トントン・・・・・
誰かが、ドアをノックする音・・・・時計は、深夜1時を回っている。
「すいません。」
という小さな声が聴こえる。
Y氏は、一瞬躊躇したが、それよりも誰なのか気になり、そっとドアを開けてしまった。
暗がりの中で、目を細めてよく見ると・・・・。
そこには、破れたTシャツに黒っぽいスカートをはいた女性が立っていた。
女性のTシャツは、何かにひっぱられたように首の辺りがのびきって、下着も露にみえ
スカートも痛々しいほどに乱れていた。
とその後ろには・・・・・女性に、しがみつくようにして影に隠れながら
あの3人の兄妹(子供達)がたっていたのだった。
このクソ親父(四部)完へ つづく